【案件分析】funds(ファンズ)台東区XEBECファンド#1

2月15日午後6時からfundsが台東区XEBECファンド#1 の募集を開始します。いつも通り開示情報に基づいて案件分析を行いました。

本案件については、当ブログの読者の方から案件分析のリクエストを頂戴しました。ご連絡頂きありがとうございます。ブログを書く側の励みになります。

本案件は東証2部上場の不動産会社 (株)デュアルタップが展開する資産運用型マンションシリーズ「XEBEC」の第2号案件です。

ストラクチャー等は1号案件と同様ですので今回は割愛しました。1号案件の分析記事は以下からどうぞ。

スポンサーリンク

本案件の経済条件

予定利回り(年率・税引前) 4.5%
募集金額  21,350,000円
運用期間  12ヶ月  2019/3/6〜2020/2/29*予定
担保・保証  担保なし・保証なし
償還方法  満期一括
配当方法  毎四半期
最低成立金額  20,350,000円
最低投資金額  1円

fundsのHPからお借りしました

投資対象物件

投資対象物件はXEBECシリーズの浅草エリアの物件としか書かれておらず、特定されていません。しかも、投資対象物件は変更になる可能性があるそうです。

fundsのHPからお借りしました

物件は特定されていませんが、XEBECシリーズで浅草エリアの物件は1つしかありません。おそらくXEBEC浅草ARIAだと思われます。

デュアルタップのHPからお借りしました

この物件は2013年2月築で既に全部屋売却済みですので、何らかの理由でデュアルタップが現所有者から部屋を買い戻して再販?するまでの「つなぎ資金」を本案件で調達しようという事だと思われます。

この辺りの背景をfundsにはもっと明確に書いて頂きたいです(もしかすると当局の指導で書けないのかもしれませんが)。

物件収支

SUUMOで調べてみましたが、対象物件は空き部屋が無い様なので類似物件の賃料相場を調べてみたところ、25㎡で月額11万円(共益費込み)位です。

年額家賃132万円、経費率20%と仮定すると、NOI(Net Operating Income、経費控除後のネット収益の意味)約105万円です。募集金額2,135万円に対して約4.9%となります。

本案件の予定利回りが4.5%ですので整合性がある結果となりました。

案件概要まとめ

上記を前提とすると、本案件は以下の様なシンプルなものになります。

  • 台東区浅草6丁目に所在するXEBEC赤坂ARIAの1部屋を2,135万円で購入(投資)する。 家賃132万円・NOI105万円とすると対象物件の利回りは4.9%。
  • 本案件の利回りは4.5%で運用期間は1年を予定。
  • 対象物件に抵当権等の担保は設定できないものの、ストラクチャー上、デュアルタップ・グループへリコース(遡及)する一般的な無担保・信用貸付とほぼ同様になる。

結論

本案件は投資しても良いのではないかと思います。理由は以下の通りです。

  • 上記の分析が正しいとすると、本案件の収支に無理な点は見当たりません。
  • XEBECシリーズはコンセプトが明確で人気がある物件の様ですので、再販することも十分に可能ではないかと思います。
  • 失礼な言い方ですが、デュアルタップの様な新興不動産会社は景気の波に弱いです(歴史が証明しています)。従って長期間の無担保融資は避けるべきですが、本案件は無担保ではあるものの期間は1年と比較的短いですし、金額も小さくデュアルタップ・グループの現在の体力であれば対応できる範囲だと思われます。
  • デュアルタップにとって本案件は収益的にあまりメリットが無いところが気になっていたのですが、デュアルタップのリリースを見ると、本案件で儲けるというより、自社の「顧客数・顧客層の拡大」を目指しているそうです。fundsを通じてXEBECへ投資家を誘導する、知名度アップ等を狙っていることが分かりました。fundsとの提携発表後に株価も一時ストップ高になったり既に効果は出ている様です。

コメント

  1. 初心者 より:

    いつも拝見しております。
    4-5%の安全性重視の投資先として、デュアルタップの案件への投資を考えています。
    物件の収支と案件の利率に無理がないというのは安心しました。
    ただ、実質的にデュアルタップへの無担保、無保証の投資となるのですね。
    当該物件からの家賃収入が正常に行われても、市況の悪化によるデュアルタップの倒産などがあったばあいは、この物件を担保に売却して投資家に償還することはできないということなのでしょうか?

    同程度の利率の案件としてSBISLの不動産担保事業者ローンがありますが、こちらは借主がデフォルトしても、担保売却で償還することができるようです。

    借主の信用度は不明ではありますが、ブログ主様はデュアルタップとSBISLの不動産担保事業者ローンとどちらが魅力的と考えられますか?

    長文すみません。

    • 元銀行員のひとりごと 元銀行員のひとりごと より:

      初心者さん コメントありがとうございます。また当ブログをいつもご覧頂きありがとうございます。非常に鋭い質問ですね。
      ファンズの案件は全て無担保・無保証です。案件ページに書いてありますね。それだと投資家が不安になるので、実質的な借手企業は全て一定の信用力がある上場企業に限定しているのだと思います。少し乱暴な言い方をすれば借手企業の社債を買うようなものだと考えると分かり易いかもしれません。ご認識のとおり、デュアルタップが倒産するなどした場合、ファンズに投資した投資家の元本は棄損する可能性があります。案件ページに出ている物件に抵当権を設定しているわけではないので、物件を売却して優先的に弁済を受けることも出来ません。
      SBISLの不動産担保事業者向けローンは最大5%となっていますが、実績を見ると運用期間14か月で金利3.5%前後ですね。こちらは実質的に融資対象物件の抵当権を押さえていますが、借手企業は一定の条件でスクリーニングされていますが非開示なのではっきりと信用力はわかりません。
      どちらも一長一短です。投資の極意は「分散」なので、どちらかに全部賭けるのだけはやめた方が良いと思います。私であれば安定した実績を誇るSBISLに軸足を置き手堅く稼ぎつつ、ファンズ(デュアルタップ含む)の案件に選別的に投資しますね。

      • 初心者 より:

        早速の返信ありがとうございます。
        SBISLメインで分散ですね。私もそうしたいと思います。
        別の分散先でクリアルにも投資しています。こちらは物件の抵当権とブリッジシーキャピタルのマスターリース契約+10%のクリアルの劣後出資がついているのですよね。
        物件に天変地異などで大きな損害がでれば元本は棄損しそうですが、クリアル案件は市況悪化などの物件と直接関係ない事でのリスクは小さいと考えてよいでしょうか。ブリッジシーキャピタルの倒産があっても一応物件への抵当権は保持していますよね。

        デュアルタップとクリアルの4-5%案件ではどちらが魅力的でしょうか?

        • 元銀行員のひとりごと 元銀行員のひとりごと より:

          初心者さん コメントありがとうございます。私もクリアルに投資しています。クリアルやファンタス(FANTAS)は不動産特定共同事業法に基づいて事業を行っています。これはマネオやオーナーズブックなどのように事業者に対する貸付に付随して不動産を担保に取る(抵当権を設定する)のではありません。不動産の所有者は事業者(クリアル・ファンタスなど)であり、投資家は事業者を通じて不動産自体に投資するイメージです。なので抵当権は設定されません。クリアルであればマスターリース契約と10%劣後出資があるのはご理解の通りです。
          案件の償還期日に景気(不動産市況)が悪化していると、物件の調子は良くても元本が棄損する可能性はありますがクリアルの場合は10%の価値下落までなら耐えられます。クリアルを運営するブリッジシーキャピタルが倒産すると元本が棄損する可能性があります。ファンタスのHPにも同様の記載があります。https://www.fantas-funding.com/static/risk_description
          デュアルタップとクリアルは運用期間も対象物件も違うのでどちらか一方が良いとは言えませんね。事業者も案件もタイミングも全て分散して投資するのが良いと思います。

          • 初心者 より:

            私の理解が浅かったようです。やはり三者三様ですね。もう一つ、愚問かもしれませんが、クリアルの場合、期日が来れば必ず第三者に売却して清算することになりますか?劣後出資分を割ることが頻繁にあると怖いですね。

          • 元銀行員のひとりごと 元銀行員のひとりごと より:

            初心者さん クリアルは昨年12月から投資を始めたばかりですが近々2案件が償還される予定です。いずれもきちんと全額戻ってきます。基本的に外部の第3者に物件を売却して資金を回収していると思います。今の不動産市況(特に都心の物件)は価格が高止まりしているので、劣後部分が全部吹き飛ぶほどの不動産市況の悪化は当面起きないと思います。ただしこれは完全に私個人の意見でして市況が悪化する兆候があるという人もいます。不動産市況は歴史的に好不況を繰り返すことがわかっているので、どこかで必ず不況は到来するものだとご理解ください。問題はそれがいつ来るか予想するのは難しいです。

  2. 初心者 より:

    なるほど。大変勉強になりました。
    分散を利かせて市況の悪化に備えます。
    特に高利の所は担保があっても手を出さないようにします。