高利回り不動産投融資案件のカラクリ

センセーショナル?な題名ですが、今回は高利回りを謳う不動産投融資案件のカラクリについて説明します。

私は銀行員時代に国内外の不動産ファイナンスを担当していたので、その経験から高利回り案件の裏側をご説明したいと思います。

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不動産の利回り

都内に所在する稼働中の区分マンション等の不動産に全額自己資金で投資すると、もちろんケースバイケースですが、自然体で概ね年3%~5%程度のリターン(NOIベース)が得られるのでないでしょうか。

つまり、この水準を大きく上回る利回り(例えば8%位)を謳う案件には何か特別な事情があるはずです。

高利回り案件のカラクリ

ソーシャルレンディング事業者が不動産投融資案件で年8%のリターンを謳う案件を想定してみます。この案件の利回りの内訳(構成)は以下の様になっている可能性が高いです。

上記式の「不動産の賃貸運用以外の利回り」には大きく以下の2つが考えられます。

  • 借手の事業者が当該案件以外の事業収益の一部を充当する。
  • 当該案件を売却する事を想定し、その売却益の一部を充当する。

ここまで書くともうお気づきかもしれませんが、「不動産の賃貸運用以外の利回り」というのは投資時点では本当に実現出来るかわかりません。

借手の事業収益の一部を充当する

「賃貸運用以外の利回り」を生み出す方法の1つ目について具体的に説明します。

投資金額1万円、運用期間1年(利払いサイクル:四半期)、利回り8%とすると、利息は年800円(四半期当たり200円)です。この利息800円は下図の通り、青(不動産賃貸運用:4%)とオレンジ(不動産賃貸運用以外:4%)の2階建て構造になります。

この事例ではオレンジ部分の四半期当たり100円の利息は、借り手が行う他の事業収益等で賄われることになります。

私は案件分析で「借り手の財務状態が分からない」と良く書きますが、これは「不動産の賃貸運用以外の利回り」の負担能力が分からないという意味です。

売却益で利息を支払う「PIK」

続いて2つ目の不動産売却益で利息を支払うケースについて説明します。これはPIK(ピック)と呼ばれるストラクチャードファイナンスの手法です。

PIKはPayment in Kind の略称で、借入金の利息の一部について返済期限まで支払いが繰り延べられて、返済期限に一括して支払われる契約です。

具体的には以下の様なイメージです。上記の図と同様に四半期ごとに本来200円の利息支払いが発生しますが、キャッシュが不足しているので2階部分の利息を返済期日まで繰り延べる(ツケ払い)にする方法です。

ツケ払いにした300円+100円は物件の売却代金で払うことになりますが、都合よく予定した値段で売却出来るかどうかは誰にも分りません。

PIKはストラクチャードファイナンスの世界では時々見かけるストラクチャーですが、「ツケ払い」は本来健全ではありません。この様な契約を容認する貸し手は、ローン契約がデフォルト(債務不履行)になったら物件を差し押さえて、借手から取り上げてしまおうと考える人たちです。

つまりローン返済のハードルを上げておいて、借り手が売却に成功すれば高い金利を得る、失敗すれば物件を取り上げて自分で運用・売却する戦略です。

事業者の分類

以上の説明を踏まえて、不動産投融資型のクラウドファンディングを行う代表的な事業者を独断と偏見で下図の様に分類してみました。

縦軸に不動産賃貸運用以外の比率、横軸に期中配当の有無で4つに分類しました。

エリア①~④の特徴

エリア①
このエリアに分類される事業者が最も多いです。高めの金利を謳う事業者や、リースアップ(バリューアップ)や開発案件の売却益を前提にした案件を取り扱う事業者が入ります。対象不動産の賃貸運用に加えて、借手の事業収益等による返済が前提になっています。

エリア②
運用期間が3か月~6か月程度の短期で期中配当が無い案件を取り扱う事業者です。個人的にはこのエリアが一番リスクが高いと思います。PIK構造に近いストラクチャーです。本来安定的に収益を生み出すはずの不動産に投資しているのですから、期中配当は欲しいところです。デフォルトする場合は、期中配当による回収が一切無い状態で元本が棄損する可能性があります。

エリア③
SBISL以外には目ぼしいプレーヤーがいないエリアでしたが、CREAL、fundsなどの新規参入が最近盛んなエリアです。不動産の賃貸運用収益や上場企業への貸付といった、リスクが限定的な案件を取り扱う点が特徴です。リターンは①・②に比べると低いですが、案件の構造に無理がありません。

エリア④
不動産賃貸運用がメインだが期中配当はしないという特殊なエリア。現状ではbitREALTYしか見当たりません。利回りは低い上に期中配当も無いので、あまり人気は出ないかもしれません。

まとめ

時系列で見ると上記分類図の①・②のエリアが主流でしたが、高利回り案件のデフォルトが増えた事もあり、③のエリアも人気化しつつある状況です。

ちなみに、不動産賃貸運用収益以外の収益をあてにすること自体は悪い事ではありません。例えば銀行では担保物件の価値を上回る金額を融資をすることが普通にあります。つまり担保価値に加えて事業収益からの返済を前提にしているわけです。

ただし、この手法は借り手の事業者がしっかり収益を生み出せることを確認する必要がありますが、現状ソーシャルレンディング案件で借り手の財務情報が公開されることはないので、借手の返済能力は完全なブラックボックス状態です。

私は以上の経緯で不動産案件ではエリア③の事業者に専ら投資しています。まだ口座を開設していない方がおられましたら、以下のリンクからどうぞ。

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