トラストレンディング事件について

2月22日付けでトラストレンディングを運営するエーアイトラストに対して証券取引等監視委員会から勧告が出ました。

更に驚くべきことに同社の元取締役が資金を流用していたとして、取締役を解任されると共に同社から損害賠償請求訴訟を起こされました。その額なんと15億8,000万円です。

詳細は同社のリリースをご覧ください。

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問題案件の分析

上記リリースと問題になっている案件をいくつか確認しました。元銀行員の目線では、これらの案件は最初から「詐欺」だったと思います。

例えば問題となっている案件の一つ、債権担保付ローンファンド105号を見てみると、借手の金利は13%、投資家向けの金利は11%をなっていて殆ど消費者金融のレベルです。まともな事業者向けの貸付金利ではありません。

トラストレンディングも借り手も最初から返済できない事を知りつつ融資を進めたと考えざるを得ません。

本案件は「担保付」となっていますが、担保は「元請負会社に対して有する工事請負代金債権に対して債権譲渡登記(譲渡担保)を設定する」とあります。

債権譲渡登記には債権債務関係の有無を確認するために、元請会社との工事請負契約の確認が不可欠です。

工事の一部が存在しない事が判明しているので、契約書は偽造されたか、エーアイトラストが確認を怠ったとしか考えられません。

いずれにしてもエーアイトラストの内部チェックは存在しなかったも同然です。

元取締役による資金流出(15.8億円)

元取締役の山本氏が少なくとも15.8億円もの資金を流出させたとあります。

これは最初から借り手とグルでないとできません。借り手には返済する意思は最初からなく、資金を山本氏と持ち逃げするするつもりだったのでしょう。

案件の詳細は部外者なのでわかりませんが、元銀行員の経験で一般的にこの様なケースで強く疑われるのは、山本氏や借り手企業は「反社会的勢力」、いわゆる暴力団との繋がりがあるのではないかという事です。

これまでも暴力団が企業に借入させた資金を流出させる事件は何度もありましたが、これまでは被害にあうのは銀行が中心でした。

ところが最近、銀行のチェックがどんどん厳しくなって、この様な事件がほぼ無くなりました。

そこで、ソーシャルレンディングが狙われたのではないでしょうか。

借り手などの基本的な案件情報すら匿名にしたまま個人投資家から資金を集められるなんて、詐欺をしようとする側からすれば、こんなうまい話は無いでしょう。

詐欺案件を避けるにはどうすれば良いのか

詐欺まがいの案件に引っかからないように、個人投資家が基本的にすべきなのは以下の3点です。

  1. 高利回り・短期の案件は避ける。
  2. 運営会社の実績・信用力をしっかり見る。
  3. 案件情報の開示が不十分な事業者・案件は避ける。

詐欺では無いものの、焦げ付く案件が多い高利回り案件のカラクリについては、以下の記事をご覧ください。