SBISL不動産バイヤーズローンファンド31号のLTV計算手法に違和感あり

3月22日午前10時からSBIソーシャルレンディングが「SBISL不動産バイヤーズローンファンド31号」の募集を開始します。

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資金使途は不動産転売資金

本案件は融資期間2年、金利7.5%、募集金額は1億7,000万円です。

本案件は借手に不動産転売資金を融資するものです。転売資金という性格上、限られた時間の中で、計画した価格で不動産を売り抜ける必要があるのでリスクは高いです。

借手や担保不動産は一切非開示

借手や担保不動産は一切非開示なので、借手の信用力や実績はもちろん、どのような不動産を転売しようとしているのかもわかりません。リスクとリターンが見合っているのか判断しようがありません。

業界全体の流れとして匿名化が解除されることになるので、このような案件ももうすぐ見納めですね。

SBISLが発明した計算方法に基づくLTVは68.0%

LTVとは「Loan To Value」の頭文字です。日本語だと「担保掛目」という意味でパーセンテージで表します。

LTVは「総融資額の担保価値に対する割合」を表し、不動産担保融資では最も重要な指標の一つです。LTVが低い方が担保に余裕があるということになり融資の安全性が高まります。

下図の通りSBISLによれば本案件のLTV(融資金額の担保評価総額に対する割合)は68.0%だそうです。

しかし、この計算手法は先順位債権額を一切考慮しないSBISLが独自に発明したLTV計算方法で、銀行や機関投資家はこのような計算方法は使いません。 個人投資家に著しい誤解を与える不適切な表現です。

本当のLTVは78.5%

不動産担保融資の世界では、担保価値(本案件では3.72億円)に対して、合計でいくら融資が付いているのか考えます。

本案件の場合は先順位債権が1.22億円付いていて、そこに第2順位で1.70億円を融資します。つまり融資は合計で2.92億円です。

担保価値3.72億円に対して、2.92億円の融資が付くので、LTVは2.92億÷3.72億=78.5%になります。担保余力は8,000万円、21.5%です。 図示すると以下のイメージです。

SBISLの意図は何なのか?

SBISLはなぜ「独自のLTV計算方法」まで編み出してLTVを低く見せようとしているのでしょうか。

やはりリスクを実際より低く見せたいのでしょうか。LTVが78.5%といわれるより68.0%といわれる方が確かに安全性は高いように感じます。

個人投資家は不動産担保融資の仕組みに詳しい訳では無いから、独自のLTVで数値を低く見せてもわからないと考えたのかもしれません。

しかし、こんな見え透いた小手先の手法で数字を操作しても直ぐに看破され、かえって信用を失いかねません。LTVが高い≒リスクが高い、だから利回りが高いのだと堂々と書けば良いと思います。

今回のように不適切な計算手法でLTVを実際より低く見せて個人投資家に誤解を与えた上で資金を集めると、デフォルト時に元本が棄損した場合に個人投資家から訴訟を起こされるリスクがあると思います。老婆心ながらSBISLの行く末を心配します。

SBISLには業界最大手の1社としての自覚をもって、ソーシャルレンディング業界をリードしてもらいたいです。

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コメント

  1. けんす より:

    良い記事ですね!
    SBISLのバイヤーズローンファンドは、ずーっと前からそのような表記をしています。
    LTVとは一切記載していなく、投資家が勝手に勘違いする事を期待しているのだと思います。問題のない範囲で有利に進めたいって事でしょう。一見、条件が良さそうに見えますからね~。
    過去のバイヤーズローンファンドは、担保からの回収で評価額の2/3程度になっている事もあり、先順位の割合が比較的大きい本案件はそこそこリスクが高いと思っています。
    少額で応募してみようかな・・・。

  2. YS より:

    いつも拝見させてもらっております。
    他の、ソーシャルレンディングの解説とか教科書とか称するサイトの多くが、アフィリエイト目的の「よいしょ」記事か、事業者の情報をただまとめているだけの表面的な記事ばかりの中で、正確な金融知識に基づいて案件を客観的に評価している貴サイトの情報は非素晴らしいと思い、投資の際にいつも参考にさせてもらっています。ありがとうございます。