ソーシャルレンディング案件の匿名化解除に向けた各事業者の対応状況

3月18日に金融庁がソーシャルレンディング案件の匿名化・複数化の解除をついに認めました。発表から今日で1週間経つので、大手事業者を中心に各社の対応をまとめました。

案件匿名化・複数化に関する経緯などは以下の記事をご覧ください。

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もともと案件情報を開示している事業者

ソーシャルレンディング案件は全て匿名化されていると思っている方もいるかもしれませんが、テクニカルな話をすると匿名化の対象になる案件は貸金業法の規制を受ける案件のみです。

ソーシャルレンディング案件には不動産特定共同事業法(国土交通省が所管)という法律に基づいて投資を募っている事業者が2社います。この2社は最初から情報を開示しています。

CREAL(クリアル)

クリアルは区分マンションを中心にホテル、保育所などユニークな不動産投資案件を募集しています。

CREAL

FANTAS funding (ファンタス ファンディング)

区分マンションの他に空き家再生案件にも力を入れています。物件売却によるキャピタルゲインも見込んだ高配当案件(利回り8%前後)が多いです。

FANTAS funding

対応策を公表した事業者

匿名化解除への対応が必要になるのは、主に貸付案件の募集をしていた事業者が中心になります。既に複数の事業者が匿名化解除への対応を公表しています。

SAMURAI証券

SAMURAI証券は既に匿名化解除後の方針を策定済みです。方針の一部を以下に抜粋します。更に借手の情報を開示した案件の募集を始めています。おそらく業界で最速だと思われます。

【匿名化解除後の弊社の情報開示方針】

1.貸付型クラウドファンディングにおいて、匿名化解除後は基本的に実名開示(債務者の内容等)を行える案件のみの募集を行う。

2.情報開示においては、契約締結前交付書面、弊社の取引サイト上等にて行う。

クラウドファンディングサイト「SAMURAI」はこちら。

funds(ファンズ)

ファンズを運営するクラウドポートの藤田社長はコメントを発表しています。以下にその一部を抜粋します。4月以降は貸付先等の名称を開示するそうです。

4月以降に公開する全てのファンドにおいてファンド組成企業からの直接的な貸付先を開示し、今回の公表内容を踏まえた情報開示の充実を図ることを発表いたします。

Funds

Crowd Bank(クラウドバンク)

クラウドバンクはプレスリリースで4月上旬以降の案件について匿名化を解除するとしつつも、実効性のある情報提供のあり方を検討するとしており、単にどんどん情報を開示するという感じでは無いようです。情報開示しすぎると借り手が減って案件組成が難しくなるからかもしれません。

弊社といたしましては、「匿名化・複数化以外の方策」として挙げられている要件等を速やかに満たすよう対応し(本年4月上旬頃を予定しております)、以降に募集するファンドにおいては融資先の同意が得られたものから順次、直接的な融資先が特定できる情報提供も行う等、更なる情報充実化を図る方針です。

他方、「情報充実化」という観点だけに傾倒することなく、実効性のある情報提供のあり方を検討するとともに、弊社が販売するファンドとしてあるべき保全措置が講じられているか十分な確認を行う等、引き続き金融商品取引業者としての責任を果たしていきたいと考えております。

クラウドクレジット

クラウドクレジットの杉山社長はクイックのインタビューで「貸付先の非匿名化は歓迎」しており、ほぼ全案件の融資先企業名を開示するとしています。 以下にインタビュー記事の一部を抜粋します。

「当局が匿名化の方針を転換することは、当然必要な措置だと考えており歓迎しています。まっとうなソーシャルレンディング事業者はどの会社も、匿名化に反対してきました。匿名化は、当初から民間事業者が懸念していた通り、悪質な事業者が詐欺的なファンドを日本の個人投資家に大量に供給する温床となってしまったため、非常に残念に思います」

「当社は匿名化解除が実行された時点で、ほぼ全案件の融資先企業の社名を開示します」

対応策を公表してない事業者

私が各社のHPを確認した限りでは、以下の事業者は匿名化解除に向けた対応を公表していません。以外に大手事業者が多いです。匿名化を継続するという選択肢は無いと思うんですが、何でこんなに時間が掛かるんでしょうね。

匿名化解除への対応を公表していない事業者一覧(2019/3/25時点)

  • SBIソーシャルレンディング
  • オーナーズブック
  • マネオグループ
  • LENDEX
  • RENOSY