銀行は自ら「構造不況業種」になった

今日4月21日の日経新聞朝刊に「銀行や証券、新卒抑制 20年卒、支店事務をITで代替」という記事が載っています。日経によると金融機関の新卒採用動向は以下の通りです。

  • 2020年春の新卒採用は、銀行が19年春比1.4%減、証券は同14.6%減、保険も1.6%減。
  • 採用減の理由はネット取引の普及や、事務作業にITを導入して効率化することで、店舗の窓口職などを減らす傾向にあるため。

興味深いのはメーカーなどの他業種では採用人数が増えている点です。採用を抑制しているのは金融機関だけと言っても良い状況です。

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銀行が新卒採用を抑制する本当の理由

金融機関(特に銀行)が採用を抑制する理由としてよく挙げられるのが「IT技術の進展によって人手がかからなくなった」というものがあります。

これは正しくもあり間違ってもいます。IT技術が進歩して店舗に来店する顧客が減ったり、事務負担が軽減されたのは事実なのですが、この事実によって銀行が本来取るべき行動は「新卒採用の抑制」ではなく「低稼働行員のリストラ」です。

日本では従業員のリストラはすごく難しいので、今いる人を辞めさせるより、採用を絞る方が手っ取り早いわけです。銀行は安易な(そして誤った)人員抑制策を取っているだけです。これが新卒採用が抑制される本当の理由です。

新卒採用抑制は低稼働従業員の増加を招く

仮に新卒採用を抑制し続けたらどうなるでしょう。低稼働の中高年行員の割合がどんどん上昇して、組織全体の生命力(活力・収益力)が低下するのは明らかです。

銀行は人員削減をしているという報道もありますが、あの「人員削減」は殆ど場合、自然減+α程度のレベルでしかなく従業員の構成を変えるものではありません。

さらに貸出金利の低下、フィンテックの台頭など銀行を取り巻く外部環境も激変しているので、銀行の独占性、優位性は失われつつあります。結果として銀行は他業種に比べて一層衰退することになります。

銀行は自ら「構造不況業種」になった

こうして銀行は自ら衰退していく「構造不況業種」の道を選んでいます。本当は新卒でITリタラシーの高い若者に多めに給料を払って、低稼働なのに高給取りの従業員を削減する方が経営判断としては正しいのですが・・・

ちなみに銀行業は世界全体で衰退しているわけでは無く、例えばシンガポールの金融機関は果敢に業態転換を図って生き残りを図っているように見えます。デジタル化の推進だけでなく、富裕層向けプライベートバンキング業務の拡充など、より収益重視・顧客重視の姿勢に傾斜しています。日本の銀行にもまだまだ生き残る道はあると思うので手遅れになる前に、目を覚ましてもらいたいです。

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