maneoグループの考察:LCレンディングの投資案件に付与される連帯保証は安心材料か?

今回はmaneoグループのLCレンディングについて 、私(元銀行員)の目線で、LCレンディングの案件に付与されるLCホールディングスによる債務保証(連帯保証)が投資する際の安心材料になるか考察します。

maneoグループのプレリートファンドに関する前回記事はこちら↓

LCレンディングの投資案件に関する過去記事はこちら↓

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結論

結論から申し上げますと、LCホールディングスは連帯保証を大盤振る舞い?する戦略の様なので、 LCレンディングの他にも、あちこちで少なくない金額の債務保証を行っています。

直近の数値から分析すると、残念ながらLCホールディングスの債務保証能力は限定的であり「連帯保証があるから安心」という訳では無さそうです。

分析

戦略的に債務保証している!?

LCレンディングはソーシャルレンディング業界では珍しく、 投資案件に親会社のLCホールディングスの債務保証を付けるケースが多く、以下の様にアピールしています。

「LCGF511号 3か月運用型」の案件ページから抜粋しました 。
LCホールディングス 第26期有価証券報告書P.11から抜粋

保証債務の内容

LCレンディングの親会社のLCホールディングスは上場しておりますので、直近の第2四半期 四半期報告書(2018/11/14開示)を見てみました。すると、保証債務(連結ベース )として46.9億円が計上されています。いわゆる偶発債務ですね。

LCホールディングス 第27期第2四半期 四半期報告書P.16から抜粋

2018年3月期の通期決算(連結ベース )では保証債務は17.2億円(以下ご参照)だったので、半年で29.7億円増加しています。 増加分は医療法人3社に対する保証が中心です。

LCホールディングス 第26期有価証券報告書P.52から抜粋

ちなみに、LCホールディングスのLCレンディングに対する保証債務(単体ベース)は2018/3時点で28.8億円あります。連結ベースではLCホールディングの借入に振り替えられていると思われます。

債務保証の履行能力

さて、上記の医療法人等が借入を返済できなくなると、保証人であるLCホールディングスが代わって返済しないといけません。そこで一般的に銀行では保証債務を保証人の借入と見做すと、バランスシートがどうなるか検討します。以下がそのイメージ図です。

仮に保証債務を全額LCホールディングスが負担すると、純資産が54.7億円→7.8億円へ激減します。実際は資産も時価評価して価値を切り下げることがあるので、純資産はもっと圧縮される可能性があります。

仮に保証債務が純資産を超えてしまうと、「実質債務超過」状態と判定されて銀行借入はほぼ不可能になります。

急増している医療法人向けの保証債務の中身はわからないので、LCホールディングスが肩代わりする可能性がどれくらいあるのかはわかりませんが継続的に債務保証の水準をウォッチする必要があります。

もしかすると、債務保証している医療法人の借入をLCレンディングを通じてソーシャルレンディングに置き換えていく計画かもしれません。

まとめ

債権者にとって、債務保証(連帯保証)はあって困るものではありませんが、保証人の保証能力の検討が欠かせません。LCホールディングス・グループに関して言うと、債務保証する事に抵抗が無い?様なので、保証債務金額と保証能力の関係に十分に注意しないといけないという結論です。

「連帯保証があるから安心」と思考停止せずに、ソーシャルレンディング案件自体のリスク・リターンの分析が大切だという当たり前の事実を再認識しました。