クラウドクレジットの外貨建て運用商品を自分で為替ヘッジすると利回りは改善するか

クラウドクレジットは新興国の海外投資案件を中心に扱うユニークな事業者ですが、運用は外貨建てなので商品には為替ヘッジ「あり」と「なし」があります。また、以下の記事で円建て商品(為替ヘッジを借入人が行う)が開発されたと書きました。

今回は投資家である自分自身で為替ヘッジをしたらリターンがどうなるか検討してみました。私(元銀行員)の経験では、為替ヘッジは結構コストがかかるので、為替ヘッジ無しの商品に投資した上で、自分でヘッジしたらクラウドクレジットにヘッジしてもらうよりお得かもしれないと思ったからです。

現在募集中の以下の2案件で比較しました(私が既に同シリーズのヘッジありの商品に投資しているため)。貸付通貨:ユーロ建て、期間:19か月です。借入人は同一なので案件のリスクは同じです。

東欧金融事業者支援ファンド87号

【為替ヘッジあり】東欧金融事業者支援ファンド100号

唯一の違いは金利です。ヘッジコストが関係しています。
ヘッジ無し:年利9.0%(ユーロ建て)
ヘッジあり:年利7.8%(円建て)

自分でヘッジしたら円建てで7.8%超のリターンが確保できるでしょうか。

では、具体的に検討してみます。為替ヘッジというと難しく聞こえますが、やることは簡単です。今回の事例では、投資する際に円を売ってユーロを買うわけです。同じタイミングで同額のユーロを売れば、買ったユーロで損が出ても、売ったユーロで利益が出て為替変動は相殺されます。個人でもFX会社を通じてユーロ等の外国通貨を簡単に売り建てることが可能です。

運用期間19か月、利息込みで1万ユーロになるケース(元本8,753ユーロ、利息1,247ユーロ)を想定しました。 1ユーロ=125円で元利金をフルヘッジする前提です。スワップポイントはGMOクリック証券の数値を使いました。レバレッジ25倍で証拠金維持率300%としました。税金・手数料等は計算の簡便化のため考慮していません。

結果は以下のとおりです。青字部分を見ると、ヘッジあり商品だと年利7.8%、自分でフルヘッジすると7.9%となりました。自分でヘッジした方が有利に見えますが、ヘッジに要する手間・コスト等を考えると、リターンは同じか負けていると考えるべきだと思います。

少なくともこの前提で為替リスクをフルヘッジするなら、最初から「ヘッジあり」の商品に投資するのが良さそうです。

ちなみに自分でヘッジするケースでは以下の点に留意すべきです。

  • 案件がデフォルトすると戻ってくるユーロの金額が減るのでヘッジのバランスが崩れてしまい為替変動リスクを負います。
  • クラウドクレジットが両替を行うタイミングと為替レートが正確には分からないので、自分のヘッジレートとは完全に一致しません。
  • FXの証拠金維持率を上記では300%にしたので安全だと思いますが、急激な為替変動が発生してロスカットされるとヘッジポジションが解消されてしまう上に、証拠金が棄損します。
  • フルヘッジしなければ(一定の為替リスクは負う)ことにすれば、ヘッジ資金が減るのでリターンは上がります。
  • 現状、ユーロを売り建てるとスワップポイントがもらえますが、今後の金利情勢によってスワップポイントを払うことになるとリターンが減少します。

個人的には、為替ヘッジ無しで投資して満期時に円転せずに外貨のままプールし、新たな商品で運用できる仕組みがあると嬉しいです。円転するタイミングと金額を選べますからね。